【2021年10月】月次マーケット・レポート

マーケット・レポート

  2021年10月の金融マーケットの動きをまとめています。

マーケットの動向

マーケット概況

【為替】

ドル・円は、月中旬から、アメリカでの金利上昇や株高を受けたドル買いが進んだことから円安が進行、前月末の111円台前半から、一時は3年ぶりの水準となる114円半ばまでレートが上昇しました。
月下旬は113円半ばから114円前半までの間の値動きとなり、前月比2.5%円安ドル高の1ドル114円となりました。

 

【株式】

日本株は、月初は中国恒大集団の債務懸念や世界的な物価高の懸念から27,500円台まで下落しましたが、中旬以降は懸念が後退、円安の進行もあって下落幅を縮小し、 日経平均 は前月比-1.9%の28,892.69円で引けました。

中国は、景気後退懸念が出る一方で、恒大集団の利払い実施や経済対策実施の期待が出たことから、狭い値幅での動きとなり、中国 上海総合指数 は前月比-0.6%の3,547.34となりました。

インドは、月中旬までは新型コロナウイルス感染の落ち着きや景気回復が続いていることから上昇し、一時は史上最高値の61,765.59をつけましたが、月下旬になると、インド株の格下げ、外国人の売り越しが続いたことなどから下落、インド SENSEX指数 は+0.3%の59,306.93となりました。

ヨーロッパは、月半ば以降、好調な企業決算の発表が相次いだことから堅調に上昇し、 STOXX欧州600指数 は前月比+4.6%の475.51となりました。

アメリカは、月初は債務上限問題や雇用統計の弱い結果などから下落しましたが、月半ば以降、好決算の発表が続いて、テスラなどのハイテク株のほか、金融、インフラなどの企業でも株価が上昇、 ダウ平均 は前月比+5.8%の35,819.56ドル、 NASDAQ は+7.3%の15,498.39、 S&P500 は+6.9%の4,605.38となりました。

 

【債券】

日本では、衆院選で各党が大規模な経済対策を公約に掲げたことなどから、国債増発懸念が出て国債価格が下落して利回りが上昇、 長期金利 の指標となる10年国債利回りは2 bp 上昇の0.1%となりました。

アメリカでは、月初は債務上限問題やインフレ懸念などから国債が売られて利回りが上昇しましたが、月中旬以降は、 FRB メンバーから、テーパリング開始後も利上げを急がない旨の発言が出たことなどから、短期債は利回りが上昇したものの、長期債は利回りが低下、30年米国債利回りは15 bp 低下の1.93%となりました。

 

【商品】

海外商品市場では、金は、月後半以降、 インフレ の長期化観測やアメリカの 長期金利 低下などを受けて上昇、 COMEX 中心限月の清算値は前月比+1.5%の1 トロイオンス =1,783.9ドルとなりました。

原油は、新型コロナウイルス禍からの経済回復による需要増加や、OPECプラスによる大幅な増産の見送り決定などを受けて月を通じて上昇基調となり、 WTI原油先物 中心限月は前月比+11.4%の1 バレル =83.57ドルで引けました。

 

主な経済指標

 

今月の注目トピック

世界的なインフレ懸念

インフレ』とは物価が(継続的に)上昇することです。
インフレは「経済の体温」と言われることもあり、経済が順調に回転して物価が適度に上昇することは経済にとって良いことなのですが、資源や商品が足りないために発生するインフレは、しばしば、賃金の上昇以上に物価が上昇することになり、人々の生活が苦しくなって景気も悪くなる、という好ましくない事態を引き起こすことがあります。
現在、懸念されているのはこの『悪いインフレ』で、新型コロナウイルス感染拡大の影響で急減した需要が、今、急回復しつつあり、資源や商品の供給回復が追い付かないために発生しつつあると考えられています。

 

主な経済イベント

・1日(月):アメリカ、 ISM製造業景況感指数 (10月)

・3日(水):アメリカ、 FOMC (連邦公開市場委員会)

・5日(金):アメリカ、 雇用統計 (10月)

・10日(水):アメリカ、 消費者物価指数 (10月)

・15日(月):中国、 鉱工業生産指数 ・小売売上高

・15日(月):日本、実質 GDP 成長率速報

・25日(木):アメリカ、実質GDP成長率速報

 

 

 

※ このレポートは対象月の各マーケットの動向を要約したものであり、本資料における記載、データ及び図表等は将来の資産状況の成果を保証または予想するものではありません。

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