【2023年4月】月次マーケット・レポート

マーケット・レポート

 

2023年4月の金融マーケットの動きをまとめています。

マーケットの動向

マーケット概況

【全体】

2023年4月の金融マーケットは、各国で異なる動きとなりました。

 

【為替】

ドル・円は、月初はアメリカの景気減速を示す経済指標を受けて米連邦準備制度( FRB )による利上げが間もなく終了するとの見方から1ドル131円台まで円高が進みましたが、日銀の植田新総裁が金融政策の維持を表明したことで円安の動きに転換、月末の日銀政策決定会合で緩和策の継続方針を決定したことから円は大幅に上昇し、前月比+2.6%円安ドル高の1ドル=136.28円となりました。

 

【株式】

日本は、月初はアメリカの景気減速懸念から日経平均は27,400円台まで下落したものの、日銀の金融政策の維持や米株式の上昇などを受けて上昇し、 日経平均 は前月比+2.9%の28,856.44円で引けました。

中国は、景気回復と景気後退を示す経済指標や、半導体の取引を巡る米中対立を受けたものの経済回復への期待から上昇し、中国 上海総合指数 は前月比+1.5%の3,323.27となりました。

インドは、政府が経済対策実施の検討や経済回復への楽観的な見通しを示したことを受け、海外投資家の資金も流入したことから上昇し 、インド SENSEX 指数は前月比+3.6%の61,112.44となりました。

ヨーロッパは、アメリカでの利上げ終了観測や堅調な企業決算を受けて株価が上昇傾向となり、 STOXX欧州600指数 は前月比+1.9%の466.64となりました。

アメリカは、月初は景気減速懸念から下落したものの、銀行システムへの懸念後退やFRBによる利上げ終了観測から上昇傾向に転じました。月下旬にはファースト・リパブリック銀行(FR銀行)が市場予想を下回る業績見通しを発表すると、銀行システムへの懸念が再燃して株価は大幅に下落したものの、月末にハイテク企業などの予想を上回る決算が相次いだことから株価は回復。結局、 ダウ平均 は前月比+2.5%の34,098.16ドル、 NASDAQ は0.0%の12,226.58、 S&P500 は+1.5%の4,169.48となりました。

 

【債券】

日本では、日銀の植田新総裁が金融緩和政策の維持を表明し、国債の買入額を増額したことから利回りの上昇が抑えられ、長期金利の指標となる10年国債金利は、前月比+1.4bpの0.403%となりました。

アメリカでは、FRBによる利上げ終了観測と米経済の景気減速観測から利回りの動きが限定的となり、10年米国債利回りは前月比-4bpの3.44%となりました。

 

【商品】

海外商品市場では、金は、 FRB による利上げ終了観測とアメリカ経済の景気後退観測が拮抗したことから、 COMEX 中心限月は前月比+0.6%の1 トロイオンス =1,999.10ドルとなりました。

原油は、月初に石油輸出国機構(OPEC)が予想外の減産を決定したことから大幅に上昇して1 バレル =80ドル台を回復、原油需要の回復を示す経済統計もあり83ドル台まで上昇したものの、月後半は米経済の景気後退に対する警戒感から下落傾向となり、 WTI原油先物 中心限月は前月比+1.5%の1バレル=76.78ドルで引けました。

 

OECD景気先行指数

※『OECD景気先行指数』は、 経済協力開発機構 (OECD)が公表しているもので、各国の景気転換点の兆候を早期に捉えるために開発された指数です。
※2023年4月分のデータでは、一部国・地域のデータが公表されていないため、当該国・地域のグラフが表示されていません。

 

主な経済指標

 

今月の注目トピック

連邦債務上限

連邦債務上限とは、アメリカ政府が発行できる債務の上限額のことで、現在の上限は31兆4,000億ドル(約4,315兆円)です。
政府が際限なく債務を発行すると、政府は財政破綻に陥り、世界中の金融市場にも混乱をもたらす恐れがあるため、上限が設定されています。

イエレン米財務長官によると、2023年1月に法定上限に到達し、デフォルト(債務不履行)回避のため、6月5日までの債務発行停止期間の設定、一部公的年金基金への投資停止などの特別措置を講じたそうですが、早ければ6月1日に政府の支払い義務全てを履行し続けることができなくなる可能性があるそうです。そのため、議会が上限引き上げを承認する必要があるそうです。
しかし、連邦議会では、民主党と共和党が対立し、上院は与党民主党、下院は野党共和党が多数派となっています。

2021年にも債務上限問題が発生しましたが、この時は上院は同数、下院は民主党が多数派となっていました。
今回も引き上げについて合意できるか、今後の動向に注目が集まっています。

 

主な経済イベント

 

 

 

 

※ このレポートは対象月の各マーケットの動向を要約したものであり、本資料における記載、データ及び図表等は将来の資産状況の成果を保証または予想するものではありません。

※ このレポートは、当社が事実であると認める情報等をもとに作成していますが、その内容が事実であること、正確であることなどについては、一切の保障及び責任を負うことはできませんので、これらのことをご承知おきの上でご利用ください。

※ このレポートは、世界・日本の経済や各金融市場の大まかな動きを知る参考とするために作成されたものです。このレポートに記載された情報を参考に有価証券などに投資などを行い、損失が発生したとしても、当社は一切の責任を負うことはできません。

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