【2021年12月】月次マーケット・レポート

マーケット・レポート

 

2021年12月の金融マーケットの動きをまとめています。

マーケットの動向

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マーケット概況

【全体】

月初は新型コロナウイルス・オミクロン株が、感染力は高いものの、重症化リスクは従来株に比べて低いという情報が徐々に広まったことから、 リスクオン の流れとなり、株などのリスク資産はおおむね上昇傾向となりました。
月中旬は、各国で金融政策決定会合が開かれ、 FRB (連邦準備制度理事会)は、現在、新型コロナウイルス感染症拡大に対応するために行っている債券購入プログラムを2022年3月で終了すること、2022年中に0.25%ずつ3回の 利上げ を実施することを公表。これを受けて、各国で株価は大きく下落しました。
月下旬は、クリスマス・年末休暇で市場参加者が減り、薄商いの中、 リスクオン の流れとなって、リスク資産は上昇傾向となりました。

 

【為替】

ドル・円は、月半ばに、FRBによる債券購入プログラム終了と2022年中の利上げ方針公表・アメリカ株の下落を受けて、一時的に円高に振れたものの、月を通じて、アメリカで株高・ 債券利回り 上昇の傾向が続いたことから、円が売られてドルが買われる円安傾向となり、前月比1.7%円安ドル高の1ドル=115.08円となりました。

 

【株式】

日本は、月半ばにFRBの債券購入プログラム終了・利上げ方針を受けて大きく下落したものの、オミクロン株への懸念が後退したことから上昇傾向となり、 日経平均 は前月比+3.5%の28,791.71円で引けました。

中国は、月半ばに、ウイグル問題を受けたアメリカによる制裁検討報道やオミクロン株の拡大に伴うロックダウン、景気減速懸念を受けて下落したものの、中国人民銀行が預金準備率の引き下げ発表や政府による経済政策の実施期待から上昇、 中国上海総合指数 は前月比+2.1%の3,639.78となりました。

インドは、外国人の売り越しなどから月半ばまでは下落しましたが、月下旬にはオミクロン株への懸念後退や堅調な貿易統計の発表、 インフレ の鈍化観測から上昇し、 インドSENSEX指数 は+2.1%の58,253.82となりました。

ヨーロッパは、オミクロン株流行による日常生活への規制強化などを受けて月中旬は下落しましたが、オミクロン株への懸念が後退したことやイングランド銀行による利上げ、ECBによる景気下支えの表明、アメリカ株の上昇などを受けて上昇し、 STOXX欧州600指数 は前月比+5.4%の487.80となりました。

アメリカは、月半ばのFRBによる債券購入プログラム終了・ 利上げ 方針発表を受けて大型ハイテク銘柄売られて大きく下落したものの、月下旬になるとオミクロン株による景気悪化懸念が後退したことや好調な統計から上昇、各指数が連日最高値を更新、 ダウ平均 は前月比+5.4%の36,338.30ドル、 NASDAQ は+0.7%の15,644.97、 S&P500 は+4.4%の4,766.18となりました。

 

【債券】

日本では、月初はオミクロン株への警戒から債券が買われて利回りが低下したものの、その後は、アメリカでの利上げ発表や、日本株の上昇を受けて債券が売られて利回りが上昇、 長期金利 の指標となる10年国債利回りは2.2 bp 上昇の0.089%となりました。

アメリカでは、一時的に利回りが低下することはあったものの、月初から、 FRB 当局者が債券の購入プログラムの終了や 利上げ に関する発言を行っていたことから、債券が売られて利回りが上昇する流れとなり、10年米国債利回りは9 bp 上昇の1.52%となりました。

 

【商品】

海外商品市場では、金は、世界的な インフレ の高止まりや、主要国中央銀行の利上げ方針などを受けてインフレヘッジ手段として買われ、 COMEX 中心限月は前月比+2.9%の1 トロイオンス =1,828.6ドルとなりました。

原油は、月後半にアメリカでの原油在庫の減少や、景気の先行きに対する楽観が広がり、原油に対する需要は底堅いとの見方から上昇し、 WTI原油先物 中心限月は前月比+13.6%の1 バレル =75.21ドルで引けました。

 

主な経済指標

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今月の注目トピック

FRBの債券購入プログラム終了

『債券購入プログラム』はFRB(連邦準備制度理事会)が実施している金融政策です。
アメリカの中央銀行システムを担う連邦準備銀行を通じて、アメリカ国債や 不動産担保証券 (MBS)を民間の金融機関などから購入し、代わりに紙幣(お金)を渡すことで、国内にお金を広くいきわたらせて景気回復を図ります。
通常、国内に流通するお金が増えると、景気が活発化して株価が上がりますが、物価が上昇するインフレも発生して国民の生活が苦しくなるため、いつかは終了させる必要があります。
一方で、この政策を終えると景気失速・株価下落につながることがあるため、FRBは景気と物価の両方をにらみつつ、慎重に終了させる時期を探っていました。
そのため、FRBがいつ、この政策を終わらせるかが注目されていました。
債券購入プログラムの終了は3月末が予定されていますが、それまでに、株、債券、為替がどのように動いていくのかが、今後は注目されます。

 

主な経済イベント

・4日(火):アメリカ、 ISM製造業景況感指数 (12月)

・7日(金):アメリカ、 雇用統計 (12月)

・12日(水):アメリカ、 消費者物価指数 (12月)

・17日(水):中国、 鉱工業生産指数 ・小売売上高

・18日(火):日本、日銀金融政策決定会合

・7日(金):アメリカ、 FOMC (連邦公開市場委員会)

 

 

 

※ このレポートは対象月の各マーケットの動向を要約したものであり、本資料における記載、データ及び図表等は将来の資産状況の成果を保証または予想するものではありません。

※ このレポートは、当社が事実であると認める情報等をもとに作成していますが、その内容が事実であること、正確であることなどについては、一切の保障及び責任を負うことはできませんので、これらのことをご承知おきの上でご利用ください。

※ このレポートは、世界・日本の経済や各金融市場の大まかな動きを知る参考とするために作成されたものです。このレポートに記載された情報を参考に有価証券などに投資などを行い、損失が発生したとしても、当社は一切の責任を負うことはできません。

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