【2023年7月】月次マーケット・レポート

マーケット・レポート

 

2023年7月の金融マーケットの動きをまとめています。

マーケットの動向

マーケット概況

【全体】

2023年7月の金融マーケットは、インフレ鈍化と底堅い景気という金融政策の方向性を相反する方向に向ける経済指標の影響を受けた動きとなりました。

 

【為替】

ドル・円は、月前半は、日銀の金融政策が転換されるとの見方やアメリカでインフレ鈍化を示す経済指標が発表され、米連邦準備制度( FRB )の金融引締め策が終わるとの観測からドルが売られて138円台まで円高が進みました。しかし、月後半、アメリカで市場予想を上回る好調な経済統計の発表が続いたことからドルが買われてドル高傾向となり、日銀が長期金利の変動上限を1%とすることを発表したものの傾向は変わらず、前月比1.4%円高ドル安の1ドル=142.28円となりました。

 

【株式】

日本は、月初に1990年以来の高値を付けたものの、その後は利益確定のための売りやアメリカの金融引締め政策が長期化するのではないかとの懸念から下落し、 日経平均 は前月比-0.1%の33,172.22円で引けました。

中国は、月前半は景気減速懸念から下落したものの、月末に中央政治局会議で景気刺激策の強化方針を示すと上昇傾向となり、 上海総合指数 は前月比+2.8%の3,291.04となりました。

インドは、経済指標の改善や、外国人投資家の資金流入が続いて株価が上昇し、インド SENSEX指数 は前月比+2.8%の66,527.67となりました。

ヨーロッパは、域内インフレの鈍化を示す経済統計が発表されて各国中央銀行による金融引締め政策終了の期待から上昇し、 STOXX欧州600指数 は前月比+2.0%の471.35となりました。

アメリカは、月半ばにかけて 雇用統計消費者物価指数 などの経済統計でインフレの鈍化が示され、FRBによる金融引締め政策の終了観測が広がって株価が上昇しましたが、その後は、なお底堅い経済の堅調さを示す統計の公表が続いたことから株価は横ばいとなり、 ダウ平均 は前月比+3.3%の35,559.53ドル、 NASDAQ は+3.1%の14,346.02、 S&P500 は+3.1%の4,588.96となりました。

 

【債券】

日本では、28日に日銀が10年国債金利の変動幅を0.5%から1.0%に引き上げることを発表したことから、国債が売られて利回りが急上昇し、10年国債金利は、前月比+17.9bpの0.605%となりました。

アメリカでは、月前半は利上げ終了観測から国債が買われて利回りが低下したものの、月後半は景気の底堅さを示す統計の発表で利上げ継続観測が優勢となって国債が売られて利回りが上昇傾向となり、10年米国債利回りは前月比+16bpの3.97%となりました。

 

【商品】

海外商品市場では、金は、アメリカのインフレ鈍化によりFRBの利上げが終了するとの見方から、将来の利下げ・通貨から金への逃避を見込んで金が買われて、 COMEX 中心限月は前月比+4.1%の1 トロイオンス =2,009.20ドルとなりました。

原油は、ロシア、サウジアラビアが産油量を削減したことや、原油在庫の低下、原油需要増加の見通しなどから月を通じて上昇し、 WTI原油 先物中心限月は前月比+15.8%の1 バレル =81.80ドルで引けました。

 

OECD景気先行指数

※『OECD景気先行指数』は、 経済協力開発機構 (OECD)が公表しているもので、各国の景気転換点の兆候を早期に捉えるために開発された指数です。
※2023年7月分のデータでは、一部国・地域のデータが公表されていないため、当該国・地域のグラフが表示されていません。

 

主な経済指標

 

今月の注目トピック

日銀のYCC柔軟化

YCCとは、「Yield Curve Control (長短金利操作)」の略です。
日本銀行は、物価の安定的な上昇による景気下支えのため国債の売買を通じて金利を低く抑えていますが、金利の中でも企業への融資や住宅ローン金利の参考とされる10年国債金利の変動上限を、従来の0.5%から1.0%に変更することを28日に発表しました。これを受けて10年国債金利は2日間で0.44%から0.61%へと上昇、毎月末に公表される翌月適用の住宅ローン金利は、多くの銀行で引き上げられました。

日本でも物価の上昇が続いていますが、海外各国とは異なり、日銀は金利の引上げを行ってきませんでした。今回も、日銀は金利を引き上げたのではなく、国債売買の目安とする金利の振れ幅を大きくしただけと説明しています。しかし、金融市場は、これを、将来的な金利引き上げの兆しと捉える向きが少なくありません。

金利の引上げは、企業への貸出金利や住宅ローン金利の引上げに繋がり、ひいては景気の鈍化につながりますから、私たちの生活に大きな影響を及ぼします。日銀が今後、金利を引き上げていくのか、金融市場への影響だけでなく、私たちの生活への影響という観点からも、要注目です。

 

主な経済イベント

 

 

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※ このレポートは対象月の各マーケットの動向を要約したものであり、本資料における記載、データ及び図表等は将来の資産状況の成果を保証または予想するものではありません。

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※ このレポートは、世界・日本の経済や各金融市場の大まかな動きを知る参考とするために作成されたものです。このレポートに記載された情報を参考に有価証券などに投資などを行い、損失が発生したとしても、当社は一切の責任を負うことはできません。

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