【2023年6月】月次マーケット・レポート

マーケット・レポート

 

2023年6月の金融マーケットの動きをまとめています。

マーケットの動向

マーケット概況

【全体】

2023年6月の金融マーケットは、各国中央銀行の金融政策とその見通しに影響を受けた動きとなりました。

 

【為替】

ドル・円は、月半ばに、アメリカ連邦準備制度( FRB )や欧州中央銀行( ECB )など各国中央銀行が利上げの実施や今後の利上げの可能性を公表したのに対し、日本銀行が金融緩和政策の継続を決定すると、金利の低い円を売る動きが強まって円安ドル高が進み、前月比+3.6%円安ドル高の1ドル=144.32円となりました。

 

【株式】

日本は、米債務上限問題の解決とそれに伴う海外の株高や円安を好感して日本株が買われ、バブル経済崩壊後の高値を連日更新。利益を確定するための売りが出て大きく売られる日もあったものの、月を通じて株価が上昇し、 日経平均 は前月比+7.5%の33,189.04円で引けました。

中国は、月前半は政策金利引き下げや経済対策への期待から上昇したものの、政府の公表した経済対策への失望や米中対立の高まりから下落傾向に転じ、 上海総合指数 は前月比-0.1%の3,202.06となりました。

インドは、海外投資家の資金流入が継続したことや経済の高成長予想や好調な経済指標が好感されて月を通じて上昇傾向となり 、インド SENSEX 指数は前月比+3.3%の64,718.56となりました。

ヨーロッパは、米債務上限問題の解決やFRBの利上げ見送り観測から月前半は上昇傾向となったものの、ECBやイングランド銀行の利上げやパウエルFRB議長が7月以降の利上げを示唆したことから下落し、 STOXX欧州600指数 は前月比+2.3%の461.93となりました。

アメリカは、債務上限問題の解決やFRBによる利上げが終了するとの期待感からハイテク銘柄を中心に上昇しました。月後半はFRBは6月の利上げは見送るが今後の利上げを示唆したことから下落傾向となるものの、好調な経済指標の発表が相次ぎ、 ダウ平均 は前月比+4.6%の34,407.60ドル、 NASDAQ は+6.6%の13,787.92、 S&P500 は+6.5%の4,450.38となりました。

 

【債券】

日本では、日銀の金融緩和政策が継続されるとの見方から月初から国債が買われて利回りが低下。月末に価格上昇に対する警戒感から売られたものの、10年国債金利は、前月比-2.2bpの0.426%となりました。

アメリカでは、FRBによる利上げ終了観測が後退して、7月以降2回の利上げと、2024年までは金利水準が維持されるという見方が広がり、国債利回りは上昇して、10年米国債利回りは前月比+17bpの3.81%となりました。

 

【商品】

海外商品市場では、金は、月後半は、FRBによる利上げの継続が懸念され、利子を生まない金は売られて、 COMEX 中心限月は前月比-2.7%の1 トロイオンス =1,929.40ドルとなりました。

原油は、中国の弱い経済統計やFRBの利上げ継続による景気後退懸念から下落しましたが、月末近くに、原油在庫の減少やインフレの緩和、底堅いアメリカの景気動向を示す経済指標が公表されたことを受けて上昇に転じ、 WTI原油 先物中心限月は前月比+3.7%の1 バレル =70.64ドルで引けました。

 

OECD景気先行指数

※『OECD景気先行指数』は、 経済協力開発機構 (OECD)が公表しているもので、各国の景気転換点の兆候を早期に捉えるために開発された指数です。
※2023年6月分のデータでは、一部国・地域のデータが公表されていないため、当該国・地域のグラフが表示されていません。

 

主な経済指標

 

今月の注目トピック

FRBの利上げ休止

利上げを継続するか、停止するかが注目を集めていた6月のFOMC(米連邦公開市場委員会)。その議長であるパウエル議長は、FOMC後の記者会見で、6月の利上げ見送りを発表したものの、年内さらに0.5bpの追加利上げを示唆しました。利上げの効果は出ているものの完全なものではなく、インフレ率を目標の2%に戻す道のりは長いことから、今後も会合ごとに利上げを判断していくとの説明があったようです。

これを受けてマーケットでは、これまで残っていた年内の利上げ停止・利下げ開始観測が完全に後退、金利は上昇・高止まりすることが織り込まれました。

とはいえ、パウエル議長は「FRBの見通しは計画・決定ではない」とも言っています。今年たびたび市場を揺り動かしたアメリカの銀行破綻の問題については「信用収縮の全容を知るのは時期尚早」としていますので、状況によっては、FRBの金融政策が変更される可能性もあるのかもしれません。
今後のマーケットの動きに注目です。

 

主な経済イベント

 

 

 

 

※ このレポートは対象月の各マーケットの動向を要約したものであり、本資料における記載、データ及び図表等は将来の資産状況の成果を保証または予想するものではありません。

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