【2024年2月】月次マーケット・レポート

マーケット・レポート

 

2024年2月の金融マーケットの動きをまとめています。

マーケットの動向

マーケット概況

【全体】

2024年2月の金融マーケットは、アメリカの早期利下げ観測は後退する一方、企業の好決算の発表などから、日本、アメリカ、ヨーロッパで株価指数が史上最高値を更新しました。

 

【為替】

ドル・円は、月上旬に、アメリカの雇用統計と消費者物価指数( CPI )が市場予想を上回る好調な結果となったことから、早期利下げ観測が後退して円安が進行し、前月比2.1%円安ドル高の1ドル=149.98円となりました。

 

【株式】

日本は、円安や企業の好決算、アメリカ株式の上昇を受けて上昇傾向となり、 日経平均 株価は22日にはバブル経済期につけた最高値を34年ぶりに更新、前月比+7.9%の39,166.19円で引けました。

中国は、証券取引を監督する機関のトップの交代や空売り規制、政府系ファンドによる株式の購入などの株価対策が好感されて上昇。中国 上海総合指数 は前月比+8.1%の3,015.17となりました。

インドは、月前半は中国や欧米株式市場の動きを受けて下落したものの、月後半は、各種経済指標の改善を受けて上昇し、インド SENSEX指数 は前月比+1.0%の72,500.30となりました。

ヨーロッパは、月後半以降、好調な企業決算の発表や欧州中央銀行ラガルド総裁のインフレ改善の発言、アメリカ株式の上昇を受けて上昇し、 STOXX欧州600指数 は史上最高値を更新、前月比+1.8%の494.61となりました。

アメリカは、月半ばに、 CPI が市場予想に反して上昇し、根強い インフレ により早期利下げの期待が低下したことから大きく下落しました。しかし、エヌビディアが生成AI向け半導体で予想を上回る売上高を発表すると、株式市場は大きく上昇し、3つの株価指数はいずれも史上最高値を更新、 ダウ平均 は前月比+2.2%の38,996.39ドル、 NASDAQ は+6.1%の16,091.92、 S&P500 は+5.2%の5,096.27となりました。

 

【債券】

日本では、月半ばまでは日本銀行の金融政策変更観測から利回りが上昇したものの、長期国債に対する需要から買われて価格は上昇・利回りは低下して、10年国債金利は、前月比-1.3bpの0.724%となりました。

アメリカでは、市場予想を上回る 雇用統計 やCPIの発表を受けて、根強いインフレにより連邦準備制度理事会( FRB )による早期利下げ期待が縮小、米国債が売られて利回りが上昇し、10年国債利回りは、前月比+26bpの4.25%となりました。

 

【商品】

海外商品市場では、金は、FRBの早期利下げ観測が後退して月半ばにかけて下落したものの、月後半に入ると、根強い早期利下げ期待などから値を戻して、 COMEX 中心限月は前月比-0.6%の1 トロイオンス =2,054.70ドルとなりました。

原油は、アメリカでの在庫増加などがあったものの、イスラエルのガザ最南端の都市ラファ侵攻言及など中東情勢の緊迫化を受けて上昇し、 WTI原油 先物中心限月は前月比+3.2%の1 バレル =78.26ドルで引けました。

 

OECD景気先行指数

※『OECD景気先行指数』は、 経済協力開発機構 (OECD)が公表しているもので、各国の景気転換点の兆候を早期に捉えるために開発された指数です。

 

主な経済指標

 

今月の注目トピック

日米欧で同日に株価指数が史上最高値更新

2024年2月22日、日本の日経平均が35年前(1989年12月)のバブル経済絶頂期につけた最高値38,915円87銭を上回って、39,098円68銭でその日の取引を終えました。 この35年間、日本経済はバブル崩壊から平成金融危機、リーマンショックなどを経て、2009年3月には7,054円98銭まで下がり、失われた30年、40年などといわれました。その株価が日本の国力が絶頂だったころの最高値を更新したのです。 そのころ市場に参加していた人たちからすると、感慨深いものがあるでしょう。

さて、同日にはヨーロッパではSTOXX欧州600種指数が、アメリカではダウ平均とS&P500が史上最高値を更新しています。 この日米欧同時株高は、前日にニューヨーク市場が終了した後に、Chat-GPTなどの生成AI向けの半導体を製造しているエヌビディアが、市場予想を上回る好調な業績と売上高見通しを発表したことがあります。 AIに対する市場の大きな期待と、それに応えた企業の決算が日米欧で株価を大きく押し上げ、最高値を更新させました。

そして、3月に入っても、史上最高値の更新は続いています。 目先の経済を見ると、アメリカでは高金利が続いており、景況感は芳しくなく、日本においても、中小企業に目を転じれば、決して楽観的な環境にはないことから、バブルを懸念する声もあります。 今回の最高値更新はいつまで続くのか、今後の日米の株式市場の動きに注目が集まります。

 

主な経済イベント

 

 

 

 

※ このレポートは対象月の各マーケットの動向を要約したものであり、本資料における記載、データ及び図表等は将来の資産状況の成果を保証または予想するものではありません。

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