【2026年8月】月次マーケット・レポート

マーケット・レポート

 

2026年8月の金融マーケットの動きをまとめています。

マーケットの動向

マーケット概況

【全体】

2026年8月の金融マーケットも、アメリカ・イラン戦争の影響を受けた動きとなりました

 

【為替】

ドル・円は、前月末の日米協調介入を受けた円買いの流れから、月初には一時1ドル=157.16円まで円高が進みました。しかし、その後はアメリカの景気の底堅さや日米金利差の拡大が意識され、途中で急激な円高や円安に振れる場面を交えながらも、月末近くまでは円安ドル高基調となりました。28日には一時1ドル=160.04円まで円安が進み、前月比1.4%円安ドル高の1ドル=159.73円で取引を終えました。

 

【株式】

日本株は、月初に下落しましたが、その後は円安基調や投資家心理の改善を受けて上昇。17日には69,220.25円となり、月末にかけてやや上げ幅を縮めたものの、 日経平均 は、前月比+3.0%の66,311.93円で取引を終えました。

中国株は、月初に上海総合指数が3,809.66まで下落しましたが、その後は中国景気への政策期待やハイテク株への買いを背景に上昇基調となり、 上海総合指数 は前月比+4.0%の3,986.30で取引を終えました。

インド株は、月上旬に上昇する場面もありましたが、その後は原油価格や海外投資家の売り、景気への警戒感を背景に下落基調となり、 SENSEX指数 は前月比-1.5%の76,957.27となりました。

ヨーロッパ株は、月初に下落しましたが、その後は投資家心理の改善を受けて持ち直しました。月中には660.51まで上昇する場面もあったものの、その後は下落し、 STOXX欧州600指数 は前月比+0.3%の651.10で終了しました。

アメリカ株は、月前半にFRBの利下げ期待やハイテク株への買いを受けて上昇し、S&P500指数は13日に7,798.99まで上昇しました。その後は利益確定売りや金利動向への警戒感から下落基調となりましたが、 ダウ平均 は前月比+1.3%の53,185.90ドル、 NASDAQ 指数は+3.9%の26,370.89、 S&P500 は前月比+2.6%の7,686.14となりました。

 

【債券】

日本では、月上旬に10年国債利回りが2.773%まで低下する場面もありましたが、その後は日銀の追加利上げ観測や国債需給を巡る見方が意識され、月末にかけて上昇し、10年国債利回りは前月比+14.2bpの2.943%となりました。

アメリカでは、 FRB の金融政策や米景気、インフレを巡る見方が交錯し、国債市場は不安定な動きとなりました。月上旬には4.63%まで低下する場面もありましたが、月末にかけて再び上昇し、10年国債利回りは前月比±0bpの4.75%となりました。

 

【商品】

海外商品市場では、金は、米利回りやFRBの金融政策、中東情勢を巡る見方に左右されながらも、月中旬にかけて上昇しました。24日には4,697.80ドルまで上昇しましたが、その後は利益確定売りなどから下落し、 COMEX 金先物中心限月は前月比+9.1%の1 トロイオンス =4,481.5ドルとなりました。

原油は、トランプ政権の中東政策や対外発言に左右され、上下に振れる展開となりました。月初には75.22ドルまで下落しましたが、20日には87.83ドルまで上昇するなど、方向感を欠く動きが続き、 WTI先物 中心限月は前月比+1.3%の1 バレル =85.76ドルとなりました。

 

OECD景気先行指数

※『OECD景気先行指数』は、 経済協力開発機構 (OECD)が公表しているもので、各国の景気転換点の兆候を早期に捉えるために開発された指数です。

※本記事作成時にOECDのデータが更新されていなかったため、前月と同じ内容となっています。

 

主な経済指標

 

今月の注目トピック

協調介入後も円安、次の焦点は日銀利上げ

2026年8月の外国為替市場では、7月末の日米協調介入を受けた円買いの流れから、月初には一時1ドル=157.16円まで円高が進みました。しかし、その後はアメリカの景気の底堅さや日米金利差の拡大が意識され、再び円安ドル高基調となりました。途中で急激な円高や円安に振れる場面を交えながら、28日には一時1ドル=160.04円まで円安が進み、月末は1ドル=159.73円で取引を終えました。

8月のドル円相場を見ると、7月末に日本とアメリカが協調して行った為替介入は、市場の円売り姿勢を慎重にさせたようです。複数の国の通貨当局が連携して行う協調介入は、単独介入よりも市場に与えるメッセージが強く、日米が過度な円安を容認しない姿勢を示したものと受け止められました。そのため、8月に入っても、市場では急激に円を売り込む動きは抑えられていたように思われます。

もっとも、協調介入によって円安基調が決定的に転換したわけではありませんでした。為替相場は、短期的には、各国の金利差の影響を強く受けます。日本の金利が低く、アメリカの金利が高い状態が続けば、より高い利回りを求めて円を売り、ドルを買う動きが出やすくなります。協調介入は急激な円安を抑える効果はあっても、円安の根本要因である日米金利差そのものを解消するものではないのです。

そこで、次の焦点となるのが日銀の追加利上げです。7月末の協調介入に先立ち、ベッセント米財務長官が日本の金利政策に言及したこともあり、市場では、日銀が追加利上げに動くとの見方が強まりつつあります。また、8月の日本国債市場では、10年国債利回りが月末にかけて上昇し、前月比+14.2bpの2.943%となりました。こうした動きも、日銀の追加利上げ観測が意識されていることを示しているといえます。

日銀にとっては、追加利上げを見送りにくい環境が整いつつあるともいえます。円安が再び進めば、輸入物価の上昇を通じて家計の負担が増えます。また、前月の協調介入で日米が円安是正に動いたにもかかわらず、再び円安が進んでいる以上、市場では、為替介入だけでなく金融政策による対応も意識されやすくなります。

さらに、仮に9月会合で追加利上げが行われたとしても、それだけで円安が十分に抑えられるとは限りません。利上げ後も円安基調が続くようであれば、市場では、10月以降も日銀が追加利上げを続けるのではないか、という見方が強まる可能性があります。そのため、今後は、9月会合で利上げが行われるかだけでなく、その後の利上げ継続の可能性も注目されることになります。

一方で、利上げは、家計や企業、国にも影響します。住宅ローン金利が上がれば住宅購入者の負担が増え、企業にとっても借入れによる設備投資や事業拡大の重荷になります。不動産価格や株式市場にも影響が及ぶ可能性があります。また、国は政策の実行のために国債を発行して資金を調達しますが、国債の利率は国債マーケットの利回りの影響を受けますので、日銀による利上げが行われて国債マーケットの利回りが上昇すれば、新しく発行する国債の利率も上昇して、国の支払利息も増えます。そうすると、財政状態が悪化して、社会福祉などの国民の生活を支える予算が削られるなどして、景気が悪化する懸念が生じます。そうすると、株式の下落にもつながる可能性があるのです。

協調介入後も円安基調に戻ったことで、9月以降、日銀が追加利上げに動くのか、そして、10月以降も追加利上げが行われるのか、為替市場だけでなく、家計や企業にとっても重要な注目点となりそうです。

 

 

主な経済イベント

 

 

 

 

 

※ このレポートは対象月の各マーケットの動向を要約したものであり、本資料における記載、データ及び図表等は将来の資産状況の成果を保証または予想するものではありません。

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